千葉の南房総エリアといえば、関東圏でも人気の観光スポットが多数。地中海に似た気候、海と山の豊かな自然からもたらされるグルメの数々を味わえることでもよく知られています。
そんな南房総エリアをめぐるファムトリップツアー「春の南房総満喫! 一泊二日の旅」に、このたび東京湾フェリー株式会社さまよりご招待いただいたので、家族で参加してきました。
今回のツアーは全編クルマ旅。総走行距離200kmほどの行程を、愛車であるスペーシアギアで回ってきたので、各スポットをご紹介していきます。
各スポットの詳細情報は、スポットごとに情報をまとめたページへリンクしていますので、そちらもぜひご参照ください。
海ほたるPA
千葉・南房総エリアへ行くには、主に2つのルートがあります。ひとつは久里浜から金谷までを結ぶ「東京湾フェリー」、もうひとつは川崎浮島JCTから木更津金田ICを結ぶ「東京湾アクアライン」です。
今回のファムトリップツアーでは、東京湾アクアラインを渡って南房総へ、帰路は東京湾フェリーで久里浜へ向かうルートとなりました。
「海ほたる」は東京湾アクアラインのちょうど真ん中くらいに位置する人工島にあるパーキングエリア。まずはここに立ち寄って小休憩です。
波奈 館山総本店
海ほたるPAを出てひた走ること1時間ちょっと。まずは昼食を食べようということで、JR内房線「館山」駅東口からすぐにある日本料理店「波奈 館山総本店」さんへ。
館山ご当地グルメといえば、館山市が推進し10周年を迎え、今やすっかり定着した「館山炙り海鮮丼」。波奈 館山総本店はその提供店のひとつです。
「館山炙り海鮮丼」は、特製三段丼にこれでもか! というボリュームで詰め込まれた、まさに海鮮の宝石箱とも言える料理なのですが、2022年2月1日からリニューアル。これまでのものから内容が変更され、バージョンアップされました。
上段は日替わりの魚介3種とサザエ、さんが焼きからなる『一の膳 炙り海鮮』。
中段は旬の地魚を味わえる『二の膳 刺身&カルパッチョサラダ』。
下段はこれまでのちらし寿司から置き換わった『三の膳 海鮮押し寿司&野菜巻き寿司』という構成。
これに季節の汁物と、館山で採れた天草を活用したデザートがセットになって、2500円(税込)とのことです。
なお、お子様連れでも安心なのがキッズメニューが用意されていることですね。
『お子様御膳』として提供されているキッズメニューは全3種。
その中から『わんぱくうどん膳』を注文。細めのうどんに海老の天ぷら、わかめ、かまぼこがあしらわれ、海老、いくらなどのお鮨に唐揚げ、デザートも付いて970円。同行した弊娘さんは3歳で、まだ生魚はためらわれたので、こちらを選択しましたが、もう少し大きな年齢のお子さまであれば握り鮨メインのメニューや、まぐろ丼メインのメニューもありますよ。
渚の駅 たてやま
館山炙り海鮮丼でお腹いっぱいになったあとは、館山駅周辺からクルマで10分ほどの距離にある「渚の駅 たてやま」へ。
渚の駅 たてやまは館山港一帯である「みなとオアシス」の中心施設の役割を持つ交通拠点施設で、敷地内には水族館やマルシェ、食堂、博物館が揃っています。
建物の裏手は館山湾の広がる展望デッキとなっていて、長い階段を上がれば館山湾を一望できます。
さかなクンギャラリー
渚の駅 たてやまにある「渚の博物館」は、かつては千葉県立安房博物館だったものが館山市に移譲されたもので、現在は館山市立博物館の分館という位置づけになっています。
実はここ、館山ふるさと大使としても活動しているさかなクンが名誉館長となっていて、彼によるギャラリーが常設展示されているのです。
なんともにぎやかな展示。弊娘さんも興味津々で展示されているものを見渡していました。
百笑園
続いて向かうは館山市の南側、国道410号線沿いにある農産物直売所「百笑園」。こちらでは季節に合わせて収穫体験することもできる場所で、筆者は以前、高糖度とうもろこし『味来』の収穫体験をさせていただいたことがあります。
館山は温暖な気候であることから、冬場に栽培されているのが、市場の品評会で何度も上位に名を連ねているブランドレタス「かんべレタス」。
館山の神戸地区では、レタス栽培のために真っ白な覆いをかけられた畑の景色が眺められるのですが、ある意味でこの景色が冬の風物詩になっているのだそう。
採れたてのレタスを試食させていただいたのですが、しゃっきりした歯触りにあふれる甘み。「美味しい」と言っていたら、普段野菜はあまり食べない弊娘さんも「食べたい」と興味津々に。
試食後は実際に自分たちで収穫してみようと、やり方を教わって実際に獲ってみました。
レタスの外葉をめくりあげて、根本に包丁を入れ、持ち上げれば収穫完了。3歳児には無理めですが、もう少し年齢が上であればお子さまにやらせてあげるのもいいですね。弊娘さんもそのうち。
収穫したレタスは、自宅にてサラダやスープにして楽しみました。執筆時点でまだ1玉残っているので、何にしようかなと考え中。ロールキャベツならぬロールレタスにでもしてみようかしら。
木村ピーナッツ
収穫したレタスを愛車のバゲージに積み込んだら、国道410号線を北上していきます。
たどり着いたのは、千葉県内でもトップクラスのネームバリューを誇る「ピーナッツソフトクリーム」で知られる「木村ピーナッツ」さん。
千葉の名産といえば、やっぱり外すことのできないのが落花生ですよね。そんな落花生を生産から加工製造、直売とワンストップで提供しているのが木村ピーナッツさんなのです。
特に上述した「ピーナッツソフトクリーム」は各種メディアでも取り上げられ、非常に人気の逸品。
芳しいピーナッツの香り。そして驚くくらいに濃厚なピーナッツの風味。あー、これはハマりそう。
ピーナッツソフトクリーム以外にも、シェイクやパフェ、アイスといったメニューもあるので、通える距離ならこれはぜひとも全種制覇したいと思いました。
店内は落花生を加工した商品がずらり。落花生好きにはたまりませんね。
館山市立博物館
「木村ピーナッツ」さんを出てクルマで走ること10分ほど。
続いてやってきたのは、かつて戦国時代にこの地域を支配域としていた里見氏の居城跡を整備した「城山公園」内の「館山市立博物館」。
2022年2月5日から、こちらで企画展として「よみがえる近代安房の風景─川名写真館の世界─」が実施されているとのことで取材させていただきました。
川名写真館は、かつて館山にて1913(大正2)年に川名竹松氏が創業。以後3代に亘って営業を続けられたそうです。寄贈された資料には、当時の館山の寺社や名所、町並み、祭礼の様子や関東大震災の被災状況などが撮影された貴重な写真も多く、現在開催中の企画展ではそれらを展示しています。
ちなみに、公園内は約460本のソメイヨシノが植わっており、季節を迎えると桜と館山城の景色を楽しむことができるそうですよ。
原岡桟橋 (岡本桟橋)
貴重な歴史資料を見させていただいたあとは、館山市街を北へ抜けて南房総市へ。
JR内房線「富浦」駅からほど近い原岡海岸から多田良北浜海岸の間にある「原岡桟橋(岡本桟橋)」へ。
原岡桟橋は全国でも数少ない海に突き出た木製桟橋。
桟橋に沿ってレトロな電灯が海の方へ向かって並び、遥か向こうには天気が良ければ富士山が望める美観スポットです。
もともと夏場はダイヤモンド富士の撮影スポットとして知られていたそうですが、近年になってSNSで話題となり、現在は多くの人々が通年訪れる人気スポットとなっています。
ホテル ファミリーオ館山
一泊二日ということで、原岡桟橋を訪れたあとは宿泊するホテルへと向かうため、再び館山市内へ。
お世話になったのはJR東日本ホテルズのホテルブランド「ホテルファミリーオ・フォルクローロ」のうちのひとつである「ホテル ファミリーオ館山」さん。
弊娘さんはベッドだと落ちることもあり、こちらの和洋室である『ファミリールーム』にて宿泊。
スポーツとアクティビティをコンセプトにしているそうで、ホテル敷地内には多目的に使える人工芝コートやテニス専用コートといったものがありました。
夕食と朝食は、ホテル内のレストラン「RESTAURANT BUONO」にていただけます。
著名なイタリアンシェフ・萩原雅彦氏が監修を手掛けているレストランで、宿泊客以外にも利用できることから周辺の人に人気の模様。
夕食はこんな感じでサラダや前菜、メインのステーキ、パスタ、デザートに舌鼓をうちました。
朝食はビュッフェ形式になっていて、主食は白飯+汁物、あるいはパンから選ぶことができます。
館山中村屋
館山に来たなら、ここは必ず立ち寄りたいのが館山駅東口から徒歩1分にある「館山中村屋」さん。東京・新宿にある新宿中村屋から枝分かれしたベーカリーで、1919(大正8)年に創業してから100年を超える老舗です。
クリームパンや特製アンパン、オリジナルぶどうパンといった看板メニューや、観光客からも人気を博しているモカソフトは必食の価値ありですよ。
こちらで売られているピーナッツクリームとバタークリームもおすすめ。賞味期限が短いので、贅沢すぎるくらいに盛って食べるのがオススメです。
白間津の花畑
館山市からまたもや南房総市へ。千倉町を走る国道410号線(房総フラワーライン・第2フラワーライン)沿いにある「白間津の花畑」を訪問しました。
近辺には花卉農家が栽培した花を摘める花畑がいくつかあるのですが、白間津は中でも有名。
毎年30軒ほどの農家によって栽培された花々が咲き乱れ、その向こうには海が見えることもあり、撮影スポットとしても人気なのだそう。
お花大好きな弊娘さんもなかなかにテンションアップ。親子で一緒に花摘みし、摘んだ花を花束にしていただいて持ち帰らせてもらいました。
まるよ 西条店
2日目のランチは鴨川市にある食堂「まるよ 西条店」。
こちらは鴨川市民から「鴨川で一番美味しい店」と言われるほどで、地元民はもちろん、観光客、ツーリング客がひっきりなしに訪れる超人気店なのです。
店内は満員。テーブル席、座敷席、カウンターとすべてが埋まっていました。
注文したのは店名を冠した「特製まるよ天丼」。大きめの丼、ボリュームある白飯、そしてその上に聳える巨大海老天2尾。しかもこれ、しっかり中の海老が大きいのです。決して衣でかさ増ししているわけではなく、そもそもの海老が大きいのです。
さらに、海老天の下には負けじと大きなかき揚げが。ホタテの貝柱が惜しげもなくたっぷり使われていて、これでお値段税込1650円というのだから驚きです。
小湊さとうみ学校
圧倒的物量なランチをいただいたあとにやってきたのは、同じ鴨川市内にある内浦エリア。
2022年2月1日から供用開始したばかりという「小湊さとうみ学校」へ。
2019年3月に閉校となった旧小湊小学校を整備した、総合運動施設、体育施設、文化交流施設です。
なんとも懐かしさを感じる体育館は、もともとあった体育館を改修、冷温水輻射式暖房設備を備え付け、小学校の体育館にありがちな底冷えする寒さを解消したのだそう。おむつも替えられるようなトイレも新設されていました。
運動施設などは予約必須で利用料がかかりますが、敷地に入ってすぐのところにある『文化交流室・談話室』は、市民が気軽に立ち寄って会話や読書などを楽しめる場所として、またコワーキングスペースとして活用してもらえるように、無料で利用可能となっています。
まだ供用が始まったばかりということもありますが、市民の認知も上がってきているようで、高齢の方を中心にコミュニケーションの場として利用されているとのこと。
また、宿泊可能な和室の大部屋と洋室が完備されており、近い将来には関東近郊を中心として合宿利用してもらえるよう、宿泊事業も開始される予定です。
里のMUJI みんなみの里
鴨川市の嶺岡山。その麓に、1999年3月に開業した道の駅があります。
近年になって指定管理事業者が、皆さんご存知の無印良品を運営する株式会社良品計画となり、2018年4月にフルリニューアル。
『秘境の無印良品』などとも呼ばれるくらいに、道の駅全体が無印感満載なのです。
今回の本命は、この道の駅の裏手。
実はこの季節は『いちご狩り』ができるんですよ。
道の駅内にある案内に従って、建物の裏手へ。3分ほど歩くといちごハウスへたどり着きます。
みんなみの里のいちごハウスで栽培しているのは、女峰と章姫の2品種。
なにげに初めてのいちご狩りとなった弊娘さん。広大なハウスのいちご畑に呆然と立ち尽くしていました。このあと楽しくなっちゃったのか両手にいちごを持って叫んだりしていましたが、まあ楽しいようで何よりです。
せっせと熟した章姫を獲りまくりました。一応練乳もあったのですが、練乳なしで食べても甘くて美味しいんです。酸味控えめで甘さがしっかりしているので、お子さまも食べやすいんじゃないかと思います。
今回はいちご狩りがメインで、みんなみの里自体は全然見て回れなかったのが残念。
無印良品のカフェである「Café & Meal MUJI」には、ここだけの限定メニューがあるそうなので、次回来たときにはぜひ味わってみたいところ。
金谷港から久里浜港へフェリーで移動
みんなみの里を出たら、今回のファムトリップツアーも終わり。
浜金谷の金谷港から出港するフェリーに愛車ごと乗り込んで、一路久里浜港へ移動しました。
一泊二日なんてあっという間。南房総の魅力を知るには圧倒的に時間が足りず、なんとも名残惜しいのですが、今回のファミトリップツアーはここまで。
やっぱり南房総いいです。都心からさほどの時間もかからずにたどり着けますし、ここ最近は新しいスポットも多く誕生していて、行くたびに発見があります。
新型コロナウイルス感染症、特に2022年2月現在はオミクロン株が猛威を奮っていて、旅行などはどうしても自粛傾向になってしまいますが、この状況が落ち着いてきたら、ぜひ多くの人に足を運んでもらえればいいなと思います。
そのときに、今回のファムトリップツアーで巡ったスポットが、南房総エリアを旅する人の参考になってくれれば幸いです。