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歴史ある温泉郷湯ヶ島の散策路「湯道」を歩く

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天城湯ヶ島は豊かな自然と温泉に恵まれた地。
多くの文人や墨客が訪れ、名作と言える文学や詩歌、映画の舞台となった場所として知られています。

そんな湯ヶ島には、この地に昔から住まう人や、訪れた文人たちが川原の湯を目指して歩いた小径があります。その名も「湯道」。

湯道

現在は散策路として延長整備されており、地元の人はもちろん、観光客の散歩コースとしても人気なのだそう。

名前が示すとおり、この湯道に沿うかたちで周辺には共同浴場があり、今回は湯道の散策を行い、共同浴場へ行ってみることになりました。

見送るニャンコたち
「湯道行くニャ? 気をつけてニャ」

ニャンコたちに見送られていざ出発です。

季節によって見せる顔が違うであろう散策路

湯道は自然があふれる散策路。そのため、季節によってその見え方は大きく変わるのではないかなと思います。

春には桜が見えたり、秋には紅葉が眺められたりと、季節を感じられる。そんな小径。
どうせならオールシーズンの景色を見てみたいところです。

どこのシーンで切り取っても情緒的な風景。こうした景色が日常に溶け込んでいる地元の人が羨ましいですね。

飲泉ミュージアム

通りすがった飲泉ミュージアム。湯道には飲泉所があるということでしたが、こちらは実際には湯は出ておらず。ミュージアムとあるので、飲泉所は別にあるのでしょうか。

湯道の道程

湯道をさらに歩いていきます。このあたりは温泉宿のほか、おそらく民家なんかも多数あるエリアとなっていました。

湯道の碑

しばらく歩いていくと、湯道と彫られた石碑と出くわしました。
目指す共同浴場はここからすぐの場所にあるということで、さらに道を進んでいきます。

共同浴場「河鹿の湯」でアツアツの湯を堪能

この道程の最終目的地である共同浴場は、さきほどの石碑からホントにすぐのところにありました。

民家と民家の間の細い路地

民家と民家の間を縫うように通る細い細い路地。私道なのではないかな? と思うこの道の先なのだそう。このルートだと案内表記がないので、初見だとなかなかたどり着けないかも。

河鹿の湯(西平の湯)

細い道を下っていくことおよそ1分。とうとう辿り着きました。
西平温泉 河鹿の湯。古くから利用されている共同浴場だそうです。

なんともこざっぱりとしたコンクリート造りの建物。この裏手すぐが狩野川となっていて、カジカガエルの鳴き声が鹿のように響くことから”河鹿”の湯と命名されたとのこと。

料金は大人ひとり300円(小人はひとり100円)。
券売機で協力券を購入し、番台にいる人へ渡します。

番台に座っていた地元のおねえさん

この日、番台にいらっしゃったおねいさま方。お元気そうで何よりです。

笑顔で見送られながら脱衣場へ入ると、そこには大きなかごがいくつも用意されているのみ。タオルなどは自前で持ち込む必要があるので、観光で行く際はフェイスタオルとバスタオルの2枚を持っていくことをおすすめします。

河鹿の湯(男湯)

男湯の中はこんな感じ。あとで聞いたところによると女湯もまったく同じデザインになっているとのことでした。

浴槽のど真ん中には名前の由来となったカジカガエルの親子。親ガエルの下からドバーッと湯が出続けております。ゲコゲコ。

お湯の温度は46℃とかなり熱め。源泉かけ流しで加水・加温は一切なし。
混じりけは一切なく無色透明。泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉で、切り傷や末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥なんかに良いそうです。

泉質のおかげか、湯上がりはすごいサッパリ。湯の熱さも相まって身体の火照り具合がすごかったですねえ。

湯道を歩いてからの共同湯。このワンセットは確かに魅力的。
かつての文人たちが湯道で思考を巡らせ、この湯に浸かることを求めていたという話もありますが、そんな文人たちの気持ちが少しわかった気がしましたよ。

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