境内にある天然記念物に圧倒
2日間に及んだ宿坊体験ツアーも、もうすぐ終わり。閉会式の前に、お坊さんが改めて境内を案内してくださいました。
まずは正門(仁王門)から。1863年に建てられたそうで、門の左右に金剛力士像がありました。
続いて、再度本堂(摩尼殿)へ。「お寺に泊まろう」限定の御朱印をいただいている間、中を散策しました。
天井近くにあった、唐獅子牡丹の絵。獅子が身体の中の虫(寄生虫)をおさめるために、牡丹の花を食べる、という場面を描いているそうで、なかなかにゴージャスでした。ちなみに、「獅子身中の虫」ということわざも、ここから生まれているとのこと。
そして、絶対に見逃せない、国の天然記念物、千年杉。
とにかく大きい!そのスケール感を伝えたくて、だいぶ離れたり、地面ぎりぎりから撮ったりといろいろと工夫しましたが、これが精一杯でした。伝わるかなぁ、伝わるといいなぁ……。汗
高さは約47メートル、幹の周りは約15メートルもあるのだとか。樹齢はおよそ800年だそう。というと、ちょうど日蓮聖人がここ清澄寺で修行していた頃に生えてきたことになりますね。改めてこの樹のすごさが実感できます。
十一面観音を祀っている観音堂。丑年と午年に開帳されるそうです。丸い窓と木材の雰囲気が見事に調和していて、とても惹かれる建物でした。
どうしてもこの建物をアップで撮りたくて。修了式とともに宿坊体験ツアーが終わり、帰りの車に乗る前、走り寄っていって撮ったのが上の写真です。
「お寺に泊まろう」宿坊体験ツアーに参加して思うこと
たった一日の宿坊体験でしたが、参拝時のお作法を習得できたことが何よりも嬉しかったです。そして、六波羅蜜や五種法師などの概念を教われたことも、勉強になりましたし、さらに仏教の教えに興味を持つきっかけになりました。
宿泊施設も道場も思ったよりも全然過ごしやすく、「宿坊ってハードなイメージ……」「体力がない私が参加して大丈夫かしら?」などの心配は杞憂に終わりました。
ただ、3月中旬とはいえ、山の中にある清澄寺はだいぶ寒かったので、ちょっと大げさかな?と思う程度の防寒対策は必要です。1日目は裏起毛のセーター1枚で過ごしましたが、昼間でも道場は寒かった……ので、2日目はさらにもう1枚着て、なんとかしのぎました。
何よりも印象的だったのが、担当してくださった20~30代のお坊さんが、皆さんとても穏やかでお話がお上手だったこと。あとで聞いた話によると、「百日大荒行」という、100日間に及ぶ日蓮宗の修行を終えられた方々なのだそうです。真冬に行われるこの修行は、一日に何度も水行をし、1日2回のお粥の食事とたった数時間の睡眠以外はひたすら読経をするという、とても厳しいもの。その修行の内容を知り、彼らの表情や語り口を思い出していたら、ただただ「すごいなぁ」と。
それにしても、旭が森から見た日の出は感動的な美しさで、一生忘れることはないと思います。