3月中旬に千葉県鴨川市の清澄寺にて開催された「第三回お寺に泊まろう」宿坊体験ツアー、2日目の起床時間は午前5時でした。身支度を整えて、持ってきていたビスコを食べ(何かお腹に入れないと動けないタイプなので)、信育道場に集まります。
玄関から外を見ると、空が白んできていて。道場の向かいの本堂(摩尼殿)の屋根が銀色っぽく、淡く、厳かに光っていました。
日蓮聖人が初めてお題目を唱えた旭が森へ
この日は、旭日遥拝からスタート。境内の端にある、旭が森と呼ばれる場所へ、団扇太鼓を打ち鳴らし、お題目「南妙法蓮華経」を唱えながら歩いていきます。そう、昨夜の太鼓の練習はこのためだったんです!
3月中旬の房総半島とはいえ、ここは山の中。セーターとダウンジャケットでしっかり防寒対策をしたつもりでした……が、カメラ撮影をするため、手を露出していたら、かじかんできた(汗)。標高による気温差、あなどれません。
森の中を進み、階段を登ります。
空がいい感じのグラデーションを描きはじめました。反対側には月が。
旭が森は、1253年に日蓮聖人が初めてお題目「南妙法蓮華経」を唱え、法華経の布教を心に誓った場所。ここから見る朝日は、「日本の朝日百選」の一つに数えられています。
山頂に到着し、しばらくして迎えた日の出の瞬間。
その様子を見つめながら、お題目を唱え続けます。
「お寺に泊まろう」宿坊体験ツアーを開催して3回目、今回初めて見られたという日の出。時間(と目的)を忘れて見とれてしまいそうになるほど、美しかったです。
唱え終わると、お坊さんから「朝日に向かって思いの丈を叫んでみませんか?」とのお誘いが。普段の生活で、大声で気持ちを吐き出すことってなかなかない(できない)ので、初めは恥ずかしがる参加者の方々。でも、叫び終えたあとは皆さんすっきりしたお顔をされていて、見ていたこちらも清々しい気持ちになりました。
来た道を引き返し、本堂へ向かいます。
本堂にて朝のおつとめ
朝のおつとめは、本堂(摩尼殿)で行われました。
ここには、清澄寺のご本尊、福徳と智慧を授けてくれる「虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)」がお祀りされています。ゆえに清澄寺は、受験シーズンになると、多くの人々が学問のご利益を求めて訪れるそう。
凛とした、でもどことなく落ち着く空気のなかで、朝のおつとめが始まりました。
前日教わった、正座、合掌、焼香などの仏前作法をさっそく実践。団扇太鼓を叩いてお題目も唱えました。