「なんか伊豆の方にすんごい鍋があるらしいよ」という話は以前から聞いていましたが、今回その鍋に出会うことができました。
やってきたのは中伊豆の船原温泉。
温泉地としての歴史は長く、今から900年ほど前に伊豆に流れた源頼朝が発見したと言われています。まあ、頼朝の伊豆流人時代については、ほとんど史料が残っていないため真偽の程は不明ですが、それでもかなり古くから湯治場として利用されてきたのは間違いありません。
そんな船原温泉でも歴史ある宿「船原館」が今回の目的地。
船原館はかなり長い歴史を持つ宿ですが、幾度も経営者が変わっているそうで、現在の船原館は館主である鈴木氏のお父様が1958年からスタートされたとのこと。
温泉は毎分150リットルという湯量を誇り、源泉温度は奇跡の45℃。加熱も加水も必要とせず適温となる100%源泉かけ流しなんだとか。これは温泉好きにはたまらん話なのではないでしょうかね。
さて、温泉については、また別途ご紹介するとして、今回ご紹介したいのは”すんごい鍋“ですよ”すんごい鍋“。
ということで、早速案内された先に行くと、そこは囲炉裏のある部屋でした。
囲炉裏の上には、
すでに”すんごい鍋”の準備が成されておりました。
しかし、よーく見るとそこには鍋には似つかわしくない食材が・・・。
そう、すんごい鍋とは「わさび鍋」なのです。
天城軍鶏のガラとカツオ出汁を合わせたスープに、しいたけ、ごぼう、合鴨、そこに修善寺伝統の湯葉と大量の三つ葉、大根おろしを入れてひと煮立ち。
これだけでも十分美味しそう。
そこに天城産の生わさびを、皮ごとすりおろして鍋の中に投入していきます。
すりおろされたわさびが鮮烈に香ってきますねえ。
わさびを投入してさらに煮込んでいけば、わさび鍋が完成。
大量のわさびがなんとも辛味のある鍋なんじゃないかと思わせますが、実際に食べてみると、まったくそんなことはありません。
慥かに多少の辛味は感じるものの、むしろ程よいもので、全体の味をキュッと引き締めてくれています。大根おろしも相まって、すんごいヘルシーな鍋になってるんじゃないでしょうか。
わさびを大量にすりおろして入れたり、鍋の上にわさびがどどんと乗っかった様子から受けるインパクトとは違って、これはなんとも美味い鍋ですよ。さすがは天城のわさび、伊豆の食材。
残念ながら食事のみ提供ということはやっていませんが、宿泊すれば夕食で味わうことが可能です。鮮烈なわさび鍋と温泉で心と体と舌をリフレッシュしてみてはいかがでしょうか?