先日、夫婦でちょっと大船へ行く必要があって足を運んできたのですが、その際にランチで伺ったのが2022年2月にオープンしたばかりの「ゲンキョウワン」。
もともとは藤沢駅南口からほど近い場所で、2002年から営まれているタイ料理店なのですが、20年目にして藤沢から大船へ移転されました。
提供する料理は、タイから仕入れた食材をベースに、タイ人シェフが腕を振るうもの。まさしく本格的なタイ料理が味わえる店として、藤沢時代から熱烈なファンが多いことで知られ、いろいろなメディアでも取り上げられてきました。
店内の装飾品は藤沢時代と同じくタイから取り寄せたものが置かれています。新店舗はパステルカラーでまとめられ、全体的に優しい雰囲気を醸し出しています。
テーブル席はもちろんですが、おひとりさまにも嬉しいカウンター席も用意されているので、サクッとひとりランチするのにも良さそうですね。
この日注文したのは、日本ではタイカレーの代表格のひとつとして知られる「マッサマンカレー」。しかしながら、このマッサマンカレーって、タイ本国ではそこまで馴染み深くはないのだそう。
というのも、もともとはタイ南部でイスラム教徒の人たちが食べる、いわゆるご当地カレーという位置づけ。タイ宮廷料理として饗されてきたという経緯はあるものの、南部以外ではあまり知られず、いつの間にやら世界的に有名になったカレーなのですね。
米メディア「CNN」が展開する「CNN travel」が企画した「The world’s 50 best foods」においては、マッサマンカレーが1位にランクインしたことからも、その人気ぶりが伺えます。
それはさておき、ゲンキョウワンのマッサマンカレーですよ。
鶏肉とじゃがいもが、見た目にもホロホロに煮込まれたことがわかるビジュアル。そしてなんとも胃袋を刺激してくるスパイシーな香り。ああ、これは間違いなく美味いやつ・・・。
まずはスープを一口すすると、タイカレーならではの酸味と辛味。そしてマッサマンカレー特有の濃厚で上質な甘味が溢れてきます。
続いて鶏肉とじゃがいも、きのこ、そしてライスをスプーンにのせてパクリ。見た目通りホロッとした食感に、よく染み込んだカレーの味、タイ米ならではの香気が鼻に抜け、「あータイ料理食べてるー」という実感が、一口ごとに得られます。
ゲンキョウワンのカレーの中では、最もマイルドな辛さで設定されていますが、本格だけあってしっかりとした辛味があり、食べすすめていくとじんわり汗が浮かんでくるんですよ。いやあ、美味しい。ほんと美味しい。
揚げ焼きされた目玉焼きを崩して、半熟の黄身を混ぜ込んで食べれば、また味変されてまったくもって飽きが来ない。というかむしろ何度でも食べたくなる味が舌にインプットされてしまいました。
このレベルのタイ料理店が藤沢からいなくなってしまったのは、藤沢市民として如何ともし難い悲しみ。ああ、もっと早くに行っておくべきだった・・・。まあ小さい子ども連れて行くのは無理があるので致し方ないのですけど・・・。
大船でエスニック食べたくなったら、ぜひとも行ってみてください。