大涌谷

箱根にある箱根火山の火山性地すべりによる崩壊地形が「大涌谷おおわくだに」である。箱根火山中央火口丘である冠ヶ岳の標高800mから1000mの北側斜面にあり、地熱地帯で活発な噴気地帯として知られる。
箱根火山には噴気地帯が多数あるが、その中でも最大規模。

江戸時代には「地獄谷」、「大地獄」などと称されたが、明治天皇皇后の行幸啓に際し、1876(明治9)年9月5日に大涌谷と改められた。

およそ3100年前に箱根火山で水蒸気爆発による山崩れが発生して堆積物が溜まり、さらにおよそ2900年前に小規模な火砕流が発生し、これによって冠ヶ岳ができて火山砕屑物が積もったのだが、その間が現在の大涌谷だという。

1910(明治43)年には血池沢付近の土石流で死者6名が発生。1933(昭和8)年には噴気の突出で死者1名が発生、1970(昭和45)年には修学旅行で噴気孔見学をしていた児童の列に落石、死者1名が発生するなど、死者も多い。

現在も活火山であり、2015(平成27)年には大涌谷の蒸気井暴噴が発生、これによって箱根町周辺道路が通行止めとなり、自然探勝歩道も閉鎖。箱根ロープウェイは全線運休となり、周辺の立ち入り規制強化が実施された。このときの調査によって、ごく小規模な水蒸気噴火による新たな火口の形成が確認されている。
また、2019(令和元)年5月、噴火警戒レベルが2に指定され、大涌谷付近は避難指示が発令。このときも箱根ロープウェイが全線運行停止となった。