宿坊はホテル並みの設備で快適
受付を済ませたら、まずは宿泊する施設へ。
2部屋をつなげて、女性参加者全員(10人ほど)で泊まりました。夜は皆で布団を広げて、いわゆる雑魚寝状態。合宿みたいでなんだか楽しかった!
浴衣やタオル、歯ブラシなどが用意されていて、大浴場にはシャンプーやリンス、ボディソープも。ヘアドライヤーも完備しているので、ホテルに泊まりに行く感覚で参加できます。
ロビーにはくつろげるスペース、休憩所には自動販売機もありましたよ。
14時からの開会式までに、着替えを済ませます。参加中は基本的に正座ですし、写経をしたり、太鼓の練習をしたり、2日目の朝にはヨガをしたりするので、スポーツウェアのような動きやすい格好がおすすめ。ちなみに私は、トレーナーとストレッチがきいているレギンスパンツで参加しました。
修行中は、スマホの利用や腕時計の着用は原則禁止。香水も控えましょう。また、宿泊施設は禁煙ですが、大玄関を出たところに喫煙所が設置されています。
無事に修行を終えられるように祈願する開会式
さて、時間どおりに信育道場にて始まった宿坊体験。開会式とつづく法味言上では、参加者全員が事故や怪我なく修行を終えられるよう、お坊さんが祈願してくださいました。
参加者は14人。開会式後に一人ひとり自己紹介をしました。忙しい日々の気分転換に来られた方、病から快復し自分を見つめ直そうと参加された方、幼馴染4人で誘い合っていらした方……。参加の理由はさまざまでしたが、このツアーのサブタイトル「心と身体を美しく」のとおり、心身のデトックスをしに来ている方が多い印象を受けました。
お互いに自己紹介をして、お坊さんのところどころユーモアを交えたトークを聞いて、場の雰囲気が和んできたところで、いよいよ修行スタートです。
正座や合掌、焼香など仏前作法の基礎を学ぶ
まずは、仏前作法の説明から。正座するときは、足の間を拳一個分開けると疲れにくいと教わりました。椅子生活が長い私、恥ずかしながら今回の宿坊体験でもっとも心配していたのが「私、そんなに長い時間正座できる……?」だったのですが、修行の最初にこれを習えて肉体的にも精神的にも助かりました。笑
続いて正しい合掌や伏拝の仕方を勉強。伏拝は漢字のとおり、「ひれ伏して拝むこと」なのですが、お釈迦様に両手に足を載せていただく、という意味があるのだとか。
それにしても伏拝、修行中に何度か練習したけれど、バランスを取るのがなかなか難しくて。ちゃんとできているのか、いまいちわからなかった……。
そして、これは特に大切!と思ったのが、お堂の歩き方。昔、畳の縁は結界の役割を果たしていたため、踏まずに歩くべきなのだそう。また、なるべく音を立てない、お堂に入るときや前へ進むときは左足から、逆にお堂から出るときや一歩下がるときは右足から、という「左進右退」の概念も教わりました。
続いて、お釈迦様へのご挨拶の意味がある、焼香のやり方も。「こういうふうに3本の指をそろえておくと、綺麗に見えるよ」という具体的なアドバイスもいただきました。
写経で精神統一&リラックス
休憩をはさんだ後は、写経タイム。
まずは塗香(ずこう)を手に擦り込んで、邪気を払います。白檀や桂皮が入っているからか、なんだか懐かしい香り。すーっと心が落ち着いていくのがわかりました。
写経をするときは、「一々文々是真仏(いちいちもんもんぜしんぶつ)」という言葉のとおり、一文字一文字はすべて仏さま、よって一文字ずつ集中して丁寧に書き写すことが大切と教わりました。
その仏さまに、肉や魚を食べた後の息がかからないようにするため、写経中は二つに折った紙を口にくわえます。
準備ができたら、いよいよ写経開始。それにしても、筆を持つのは、小学生の頃の書道の授業以来とあって、力が全然コントロールできず、筆先がぐにゃぐにゃ曲がります。汗
でも、大事なのは、上手下手ではなく、一文字一文字精神を統一して書いているかどうか。静まり返った道場で、皆、黙々と筆をすすめました。
写経後は、法座の時間。ここまでのお坊さんのお話で出てきた言葉がところどころにあり、「この箇所はこういう意味かな?」となんとなく理解できたのが嬉しかった!
次はいよいよ夕食です。