JR東海道本線「二宮」駅からすぐ目の前にある吾妻山。
山と言っても標高は136m程度のものなのですが、本格的な春到来の前は多くの人で賑わう二宮町のシンボルです。
多くの人が訪れるその理由こそ、吾妻山山頂に整備されている吾妻山公園の菜の花畑。6万株もの菜の花が一斉に咲き誇る様は圧巻の見応えで、毎年「菜の花ウォッチング」が開催されています。
新型コロナウイルス感染症による影響もあり、2021年は一部イベント(二宮町商工会地場産品販売会、二宮町商工会青年部「味じまん」)を控えるかたちで、2021年1月9日〜2月7日にかけて開催されました。
吾妻山公園をベビーカーで目指すなら中里口へ
「菜の花ウォッチング」は今回が初めて。我が家では2歳のムスメさんが一緒なのでベビーカーで向かうことにしたのですが、事前に調べてみたところ、駅から最も近い吾妻山公園への登り口である役場口は、300段の階段が待ち受けていることが判明。
さらに調べを進めてみたところ、二宮駅から北上していった場所に中里口という緩やかな登路があることがわかり、こちらから山頂の吾妻山公園を目指すことにしました。
菜の花畑で有名なだけあって、早くも菜の花に遭遇。
二宮町を縦断するように流れる葛川にかかる妙見橋を渡って、さらに道沿いに北上すること数分。
中里口へ到着。ここから徐々に登っていきます。だいぶ緩やかな坂道を登っていくこと数分。
ん? あれ? ここで中里口の看板が登場。ということはさっきのは中里口の入り口であって中里口じゃないってこと? なんかしてやられた感が凄い・・・。
とりあえず、気を取り直して2歳児の乗ったベビーカーを夫婦で押しながら、えっちらおっちら登っていきます。確かにそこまで厳しくはないものの、場所によって急に勾配がきつくなったりするところも。
むう。普段の運動不足が祟ります。ええ、そりゃもう見事に祟ってきます。
そんなこんなでやっと吾妻山公園の入り口に到着。
ええ、あくまでも入り口です。ここからさらに登っていかなければなりません。しかもここから未舗装の山道っていう・・・。
2歳ムスメさんを疲れさせることも目的のひとつ。そんなわけでベビーカーから降ろして、歩けるところは歩かせてたわけですが、途中で抱っこをせがまれるのは当然のこと。うん・・・わかってた、わかってたよ・・・。
まだまだ登路は続きます。舗装と未舗装が交互にやってくる山道を、ベビーカーを押し、2歳ムスメさんを抱っこしたりしなかったりしながら、ひたすらにえっちらおっちら。
緩やかとは何なのだろう。
そんなこんなで約30分くらいでしょうか。なんとか山頂近くへ到着。
菜の花が咲き乱れる場所まであと少しです。
菜の花と富士山
どうにかこうにかたどり着くことができた吾妻山山頂の吾妻山公園ですが、6万株もの菜の花は、まさしく圧巻の一言。
この日は雲ひとつない青空。咲き乱れる菜の花の黄色。これには思わず「おお」と声を出してしまう光景ですね。黄色大好き2歳ムスメさんも大喜びです。
菜の花の向こうには富士山も。
そもそも、吾妻山は「関東の富士見百景」に選定されている場所でもあります。
富士山の両側には箱根と丹沢も見える上に、相模湾側からは、大島や初島、江の島、三浦半島まで望むことができる360度のパノラマビュー。
標高はわずか136mですが、周辺に高い建物がないこともあって、その景色の良さは格別ですね。
菜の花の奥には桜の木。本格的に春が到来すれば、桜と富士山の共演が素晴らしいことになりそうじゃないですか。
非常に感動的な景色を見せてくれる吾妻山公園の菜の花ですが、最初に植えられたのは1989年のこと。当時、新聞などで「日本一早い菜の花」との見出しで掲載されたのですが、現在のような規模感ではなかったので、訪れた人も肩透かしを食らう状況だったそう。
その後5年をかけて、吾妻山公園の斜面を開墾。苦労を重ねた結果、現在の景色が出来上がったそうですよ。
いや、作り上げることも大変な苦労があったと思いますが、これだけの菜の花を保ち続けることも、並大抵のものじゃないでしょうね。つきなみですがただただ「凄い」としか言えません。
往復の山道で身体はだいぶ疲労しましたが、眼前に広がる菜の花と眺望は一見の価値ありです。
2021年の「菜の花ウォッチング」は終了してしまいましたが、菜の花そのものは2月中旬くらいまでは見頃なので、ソーシャルディスタンスを保ちながら楽しんでみてはいかがでしょうか。
周辺にはパーキングも多いので、感染予防を考えても車で行くのがおすすめですね。