旧横濱競馬場一等馬見所

神奈川県横浜市中区根岸台にある根岸森林公園内にある遺構。2009年に経済産業省によって近代化産業遺産に認定された。

1866(慶応2)年に日本初となる常設洋式競馬場として同地に開設されたのが根岸競馬場であるが、1937(昭和12)年の秋季競馬から「日本競馬会横濱競馬場」に改称された。
一等馬見所はそのメインスタンドとして、1920(大正9)年に丸ノ内ビルヂング建設のために来日した米・フラー社の主任建築士、J.H.モーガンに設計を依頼したもので、1930年に完成した。

鉄骨鉄筋コンクリート造地上7階、地下1階建て、延床面積は7700㎡。当時としては珍しくエレベーターを3基備えた。最上階中央には貴賓室が設置され、東京湾や三浦半島まで見渡せる眺望の良さだったという。

1942(昭和17)年、第二次世界大戦の激化に伴って競馬開催を休止。翌年には競馬場も閉鎖され、戦後は米軍によって接収。1969(昭和44)年に一部施設が返還されたものの、競馬場としての再起は適わず、老朽化してしまった二等馬見所やパドックが解体された。
また、かつての馬場は戦後に米軍専用ゴルフ場として使用され、現在は根岸森林公園の魅力となっている広大な芝生となっている。

なお、現在も公園内には米国海軍が接収したままの敷地があり、一等馬見所の正面はそちら側からしか確認することができないため、横及び裏側のみ眺められる。