JR「鎌倉」駅を出てすぐの場所にある日蓮宗系の単立寺院。特定の檀家を持たず、安産祈願を行う寺として知られている。
もともとは大行寺と称する真言宗寺院で、当初は十二所の梶原景時の屋敷内にあったと伝わるが、創建年、開山などは不明。ただし、源頼朝の祈願所とされたこともって、鎌倉時代初期頃には創建されていたと推測される。
現在の大巧寺になったのは、源頼朝がこの寺で軍議を行い、それによって大勝利を収めたことから頼朝の命によるもの。
1274(文永11)年に、日澄によって日蓮宗に改宗。その年の2月には現在地へ場所を移した。このことから現在は開山を日澄としている。
1532(天文元)年に、五世住職日棟が難産で亡くなった女性の霊を成仏させ、産女霊神として祀り、五輪塔(産女宝塔)を立てた。この話が広まって以降、安産祈願の験がある寺として知られるようになった。
大巧寺は別名「おんめさま」と呼ばれるが、おんめさまとは「お産女様」が訛ったものであり、先述した産女霊神のことを指している。