「浄善寺」は、島根県大田市三瓶町池田、三瓶山の西麓に建つ浄土真宗本願寺派の寺院である。山号は西谷山、本尊は阿弥陀如来。境内にそびえる樹齢600年以上と伝わる大イチョウで知られ、秋には県内最大級の巨木が黄金色に染まる、紅葉の名所として知られている。
参道の石段を上がると赤瓦の山門があり、その脇に立つ大イチョウが見上げるほどの大きさで境内を覆う。落葉が進むと、地面一面が黄色のじゅうたんになる。
黄金の大イチョウ
大イチョウは樹高約30m、幹周りは地上130cmの位置で約9.3m、枝幅は約23.5m。現在の場所に寺が移る前からこの地にあったとされ、樹齢は600年以上と伝えられる、島根県内でも最大級のイチョウである。
銀杏の実がならない木で、枝にはブランコが設置されている。見頃は例年11月中旬から12月上旬で、落葉の時期には落ち葉で境内が黄金色に染まる。見頃の時期には夜間のライトアップも行われ、夕暮れから21時まで、闇の中に大イチョウが浮かび上がる。
地震を越えてきた寺
浄善寺はもともと、石見銀山の百か寺のひとつ「西蔵坊」だったとの伝承があり、天文年間より浄善寺と呼ばれていた。江戸時代には坂根谷にあったが、1872(明治5)年の浜田地震で倒壊し、大イチョウのある現在地に移転した。現在の伽藍は、地域の人々が棟梁の仕事を手伝い、30年をかけて完成させたもので、災害復興の象徴として親しまれている。
本堂の襖には、地元・池田出身の日本画家、田平玉華(たびらぎょっか、1878〜1923年)による「浅間山」と「洞庭湖」が残る。療養のため浄善寺に身を寄せた玉華が寄贈したもので、玉華作品の中でも最大級のものとされる。本堂には1903年製のベヒシュタインのグランドピアノもあり、紅葉の時期には演奏会が開かれることもある。
三瓶山の西の原からは車で約5分。同じ池田エリアには浮布池もあり、三瓶山の散策とあわせて訪れたい。
